アシュワガンダ240mgで不安41%減、コルチゾール23%低下 ― 60日間ランダム化比較試験が示すストレスケアの実力
ポイント
仕事や日常のストレスで眠りが浅い、なんとなく不安が抜けない——そんな悩みを持つ人に向けて、インド伝統ハーブ「アシュワガンダ」の実力を検証したのがこの60日間のランダム化比較試験だ。健康だが軽度のストレス・不安を抱える成人60人を、標準化アシュワガンダ抽出物(ブランド名Shoden、1日240mg)群とプラセボ群に無作為に分け、二重盲検で比較した。結果、医師評価による不安スケール(HAM-A)はアシュワガンダ群で41%減少し、プラセボ群の24%減少を統計的に有意に上回った(P=.040)。自己申告のストレス・うつ・不安スケール(DASS-21)も30%対10%の改善傾向を示したが、こちらは有意差には届かなかった(P=.096)。血液検査では、ストレスホルモンのコルチゾールが23%低下(プラセボはほぼ変化なし、P<.001)、DHEA-Sも有意に低下し、男性ではテストステロンが11%増加する傾向も見られた。有害事象はゼロ、60人全員が試験を完遂しており、忍容性の高さも裏付けられた。2024年にはより低用量(60〜120mg)でも同様以上の変化を示す追試も報告され、市場の関心はさらに高まっている。
あなたの生活にどう関係する?
本試験の用量は、ウィザノライド配糖体84mgを含む240mgカプセルを夕食後に1日1回、60日間継続するという設計。2024年の追試ではより低用量の60〜120mgでも同等以上のコルチゾール・テストステロン変化が報告されており、高用量が必須とは限らない。慢性的なストレスで気分の落ち込みや倦怠感を感じている人、テストステロン低下が気になる男性に向いている可能性がある一方、効果実感には数週間〜2カ月の継続摂取が前提となる。ただし日本では厚生労働省がアシュワガンダを「専ら医薬品として使用される成分」に指定しており、国内でサプリメントとして合法的に販売・購入することはできない点に要注意だ。
注意点
本試験はインド人60人・60日間という比較的小規模かつ短期のデータで、資金提供元は原料メーカーのArjuna Natural社である。市販品は抽出方法やウィザノライド標準化率が製品ごとに異なり、同じ効果が得られる保証はない。テストステロン上昇は男性の群内では有意でも群間差は非有意(P=.158)で、まだ確定的とは言えない。さらに日本では薬機法上アシュワガンダが医薬品専用成分に指定され、国内合法販売がなく、個人輸入品には品質や健康被害時の未補償リスクが伴う。妊娠・授乳中や持病のある人は自己判断せず医師に相談を。
専門用語の解説
研究データ
試験デザイン
総合評価
JADAD Quality Assessment評価詳細
ランダム化
2点 / 2点盲検化
2点 / 2点脱落者・除外者
1点 / 1点対象集団
- 18~65歳の健康な男性および女性成人
- HAM-Aスコアが6~17の範囲であること
- 試験参加および試験手順の遵守に同意していること(署名済みのインフォームド・コンセント)
- 妊娠可能年齢の女性参加者は有効な避妊法を使用しており、妊娠検査が陰性であること
- 妊娠不可能な女性は少なくとも連続12か月間閉経している、または外科的に不妊手術を受けていること
- 試験期間中、大きな生活習慣の変化を避ける意思があること
介入
アシュワガンダ抽出物(Shoden)
治療群プラセボ
対照群アウトカム
| Outcome | Type | Effect | p-value |
|---|---|---|---|
| ハミルトン不安評価尺度(HAM-A) | 主要 | - | P = .040有意 |
| うつ病・不安・ストレス尺度-21(DASS-21) | 主要 | - | P = .096 |
| 血清朝コルチゾール | 副次 | - | < .001有意 |
| 血清デヒドロエピアンドロステロン硫酸抱合体(DHEA-S) | 副次 | - | P = .004有意 |
| 血清テストステロン | 副次 | - | P = .150 |
| 有害事象/忍容性 | 副次 | - | - |
安全性
結論
この60日間のランダム化二重盲検プラセボ対照試験において、自己申告で高ストレスを有する健常成人を対象に、標準化アシュワガンダ抽出物(Shoden)240mg/日の摂取は、プラセボと比較して不安(HAM-A、P=.040)の統計学的に有意な軽減、およびストレス・抑うつ・不安症状(DASS-21、P=.096)の有意に近い軽減と関連していた。また、アシュワガンダはプラセボと比較して朝のコルチゾール(P<.001)およびDHEA-S(P=.004)の有意に大きな低下をもたらし、男性における群内でのテストステロンの有意な増加(P=.038)とも関連していたが、テストステロンの群間差は統計学的有意性には達しなかった(P=.158)。有害事象は報告されず、60名の参加者全員が試験を完了した。これらの結果は、アシュワガンダの抗不安作用が視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸活動を調整する作用を介して生じている可能性を示唆しているが、これらの知見を確認するためには、より大規模で多様な集団を対象とした、より長期の試験が必要である。限界
- 軽度のストレスを有する健常成人のみを対象とした研究であり、診断された不安・気分障害を有する臨床集団における効果は検討されていない
- 研究対象集団はインドのみから抽出されており、他の文化的集団への一般化可能性は不明である
- 抗ストレス効果に対する食習慣、経済状況、日常の職業の影響は検討されていない
- 治療期間が比較的短期間(60日間)であり、長期的な安全性および有効性は確立されていない
- 摂取中止後の離脱効果や効果の持続性を評価するための追跡評価が行われていない
- サンプルサイズが小さく(特に性別ごとのサブグループ、例えば男性37名)、テストステロンに関する統計学的に有意な群間効果を検出する能力が制限されていた
- ホルモン変化(コルチゾール、DHEA-S、テストステロン)が症状・臨床的改善と関連していたかどうかは検討できなかった
- この分野の試験全体でアシュワガンダ抽出物、抽出技術、用量が様々であるため、研究間の比較や最適用量の決定が困難である
- 本試験は遡及的に登録された(2016年4月~7月に参加者募集が行われた後、2017年8月に登録された)