RCTJadad 5/5RandomizedDouble-BlindPlacebo-Controlled

アシュワガンダ240mgで不安41%減、コルチゾール23%低下 ― 60日間ランダム化比較試験が示すストレスケアの実力

Medicine2019年9月1日Vol. 98 (37)

ポイント

仕事や日常のストレスで眠りが浅い、なんとなく不安が抜けない——そんな悩みを持つ人に向けて、インド伝統ハーブ「アシュワガンダ」の実力を検証したのがこの60日間のランダム化比較試験だ。健康だが軽度のストレス・不安を抱える成人60人を、標準化アシュワガンダ抽出物(ブランド名Shoden、1日240mg)群とプラセボ群に無作為に分け、二重盲検で比較した。結果、医師評価による不安スケール(HAM-A)はアシュワガンダ群で41%減少し、プラセボ群の24%減少を統計的に有意に上回った(P=.040)。自己申告のストレス・うつ・不安スケール(DASS-21)も30%対10%の改善傾向を示したが、こちらは有意差には届かなかった(P=.096)。血液検査では、ストレスホルモンのコルチゾールが23%低下(プラセボはほぼ変化なし、P<.001)、DHEA-Sも有意に低下し、男性ではテストステロンが11%増加する傾向も見られた。有害事象はゼロ、60人全員が試験を完遂しており、忍容性の高さも裏付けられた。2024年にはより低用量(60〜120mg)でも同様以上の変化を示す追試も報告され、市場の関心はさらに高まっている。

あなたの生活にどう関係する?

本試験の用量は、ウィザノライド配糖体84mgを含む240mgカプセルを夕食後に1日1回、60日間継続するという設計。2024年の追試ではより低用量の60〜120mgでも同等以上のコルチゾール・テストステロン変化が報告されており、高用量が必須とは限らない。慢性的なストレスで気分の落ち込みや倦怠感を感じている人、テストステロン低下が気になる男性に向いている可能性がある一方、効果実感には数週間〜2カ月の継続摂取が前提となる。ただし日本では厚生労働省がアシュワガンダを「専ら医薬品として使用される成分」に指定しており、国内でサプリメントとして合法的に販売・購入することはできない点に要注意だ。

注意点

本試験はインド人60人・60日間という比較的小規模かつ短期のデータで、資金提供元は原料メーカーのArjuna Natural社である。市販品は抽出方法やウィザノライド標準化率が製品ごとに異なり、同じ効果が得られる保証はない。テストステロン上昇は男性の群内では有意でも群間差は非有意(P=.158)で、まだ確定的とは言えない。さらに日本では薬機法上アシュワガンダが医薬品専用成分に指定され、国内合法販売がなく、個人輸入品には品質や健康被害時の未補償リスクが伴う。妊娠・授乳中や持病のある人は自己判断せず医師に相談を。

専門用語の解説

アシュワガンダ(Withania somnifera)インド伝統医学アーユルヴェーダで古くから使われるナス科の薬草で、ストレス緩和や活力増強を目的に用いられてきた。
ウィザノライド配糖体アシュワガンダに含まれる有効成分群の総称で、抗ストレス作用の鍵とされる化合物。製品の「標準化率(例:35%)」はこの含有量の指標になる。
Shoden本試験で使用された標準化アシュワガンダ根抽出物のブランド名(ウィザノライド配糖体35%標準化)。他ブランドとは成分濃度や抽出方法が異なる場合がある。
HAM-A(ハミルトン不安評価尺度)医師が対面で不安症状の重さを14項目にわたって評価する臨床尺度で、自己申告より客観性が高いとされる。
DASS-21うつ・不安・ストレスの症状を自己申告で測る21項目の質問票で、数値が低いほど症状が軽いことを示す。
コルチゾール「ストレスホルモン」とも呼ばれる副腎皮質ホルモンで、慢性的に高い状態が続くと心身の不調につながるとされる。
DHEA-S副腎から分泌されるホルモンで、急性ストレス時に一時的に上昇することが知られ、その変動幅がストレス反応の指標の一つとされる。
二重盲検プラセボ対照試験被験者も評価者もどちらが実薬でどちらが偽薬かを知らない状態で行う試験デザインで、思い込みによる効果や評価バイアスを排除できる、信頼性の高い研究手法。
薬機法(専ら医薬品として使用される成分)日本の医薬品医療機器等法で「医薬品にのみ使うべき」と指定された成分のこと。指定されるとサプリメントとしての国内販売は違法となり、アシュワガンダはこれに該当する。
研究データ

試験デザイン

Registrationインド臨床試験登録(Clinical Trials Registry - India, CTRI): CTRI/2017/08/009449

総合評価

JADAD Quality Assessment
5
/ 5

評価詳細

ランダム化

2 / 2
研究がランダム化されていると記載されているか?
はい+1
根拠: 本論文は本試験を「無作為化」試験であると繰り返し明示的に記載しており(例:「無作為化二重盲検プラセボ対照試験」)、さらに無作為化の過程についても「無作為に割り付けられた」「乱数表を用いて2つの治療条件のいずれかに無作為化された」など詳細に説明している。
ランダム化の方法が適切に記載されているか?
はい+1
根拠: 本論文は無作為化の方法として乱数表の使用を明示的に記載しており、これは適切な無作為化方法として認められる手法であるため、Jadad基準の設問2(無作為化の方法)を満たしている。

盲検化

2 / 2
研究が二重盲検であると記載されているか?
はい+1
根拠: 本論文は要旨、方法(試験デザイン)、および考察の各セクションにおいて、本試験を「二重盲検」であると明示的かつ繰り返し記載している。
盲検化の方法が適切に記載されているか?
はい+1
根拠: 本論文は盲検化の方法を明示的に記載しており、アシュワガンダ群とプラセボ群のカプセルは外観、形状、色、包装(緑色の長楕円形カプセル)がすべて同一であった。これは識別不能なプラセボを用いた適切な二重盲検化の手法であり、Jadad基準における適切な盲検化の要件に合致する。

脱落者・除外者

1 / 1
脱落者数と脱落理由が記載されているか?
はい+1
根拠: 本論文は、登録された60名の参加者全員(男性37名、女性23名)が欠損データなく60日間の試験を完了したことを明示的に述べており、結果/有害事象のセクションでも全参加者が試験を完了したことを再度述べている。これは、試験集団全体における中止・脱落(すなわち脱落者ゼロ)についての明示的な記載に該当し、Jadad基準を満たしている。

対象集団

サンプルサイズ60
年齢範囲18-65 years
疾患・状態健康な成人における自己申告の高度/軽度ストレスおよび不安(HAM-Aスコア6~17)
Inclusion Criteria
  • 18~65歳の健康な男性および女性成人
  • HAM-Aスコアが6~17の範囲であること
  • 試験参加および試験手順の遵守に同意していること(署名済みのインフォームド・コンセント)
  • 妊娠可能年齢の女性参加者は有効な避妊法を使用しており、妊娠検査が陰性であること
  • 妊娠不可能な女性は少なくとも連続12か月間閉経している、または外科的に不妊手術を受けていること
  • 試験期間中、大きな生活習慣の変化を避ける意思があること

介入

アシュワガンダ抽出物(Shoden)

治療群
Dose240mgカプセル(ウィザノライド配糖体84mg含有)
Frequency1日1回、夕食後
Duration60日間
Route経口

プラセボ

対照群
Dose該当なし
Frequency1日1回、夕食後
Duration60日間
Route経口

アウトカム

OutcomeTypeEffectp-value
ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)主要-P = .040有意
うつ病・不安・ストレス尺度-21(DASS-21)主要-P = .096
血清朝コルチゾール副次-< .001有意
血清デヒドロエピアンドロステロン硫酸抱合体(DHEA-S)副次-P = .004有意
血清テストステロン副次-P = .150
有害事象/忍容性副次--

安全性

有害事象0
Serious AEs0
脱落率0.0%
アシュワガンダは忍容性が良好で、有害事象は報告されなかった。60名の参加者全員が60日間の試験を完了した。コンプライアンス(服薬遵守)は高く(15日目、30日目、45日目、60日目に返却されたカプセル数に基づき、割り当てられたカプセルの90%以上を摂取)、投与前後の血液学的指標(全血球算定および脂質プロファイル)は経時的に群間で統計学的に有意な差は認められなかった。

結論

この60日間のランダム化二重盲検プラセボ対照試験において、自己申告で高ストレスを有する健常成人を対象に、標準化アシュワガンダ抽出物(Shoden)240mg/日の摂取は、プラセボと比較して不安(HAM-A、P=.040)の統計学的に有意な軽減、およびストレス・抑うつ・不安症状(DASS-21、P=.096)の有意に近い軽減と関連していた。また、アシュワガンダはプラセボと比較して朝のコルチゾール(P<.001)およびDHEA-S(P=.004)の有意に大きな低下をもたらし、男性における群内でのテストステロンの有意な増加(P=.038)とも関連していたが、テストステロンの群間差は統計学的有意性には達しなかった(P=.158)。有害事象は報告されず、60名の参加者全員が試験を完了した。これらの結果は、アシュワガンダの抗不安作用が視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸活動を調整する作用を介して生じている可能性を示唆しているが、これらの知見を確認するためには、より大規模で多様な集団を対象とした、より長期の試験が必要である。

限界

  • 軽度のストレスを有する健常成人のみを対象とした研究であり、診断された不安・気分障害を有する臨床集団における効果は検討されていない
  • 研究対象集団はインドのみから抽出されており、他の文化的集団への一般化可能性は不明である
  • 抗ストレス効果に対する食習慣、経済状況、日常の職業の影響は検討されていない
  • 治療期間が比較的短期間(60日間)であり、長期的な安全性および有効性は確立されていない
  • 摂取中止後の離脱効果や効果の持続性を評価するための追跡評価が行われていない
  • サンプルサイズが小さく(特に性別ごとのサブグループ、例えば男性37名)、テストステロンに関する統計学的に有意な群間効果を検出する能力が制限されていた
  • ホルモン変化(コルチゾール、DHEA-S、テストステロン)が症状・臨床的改善と関連していたかどうかは検討できなかった
  • この分野の試験全体でアシュワガンダ抽出物、抽出技術、用量が様々であるため、研究間の比較や最適用量の決定が困難である
  • 本試験は遡及的に登録された(2016年4月~7月に参加者募集が行われた後、2017年8月に登録された)
このコンテンツはAI(LLM)によって生成されています。正確性には十分注意を払っておりますが、重要な情報については原著論文をご確認ください。
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