RCTJadad 3/5RandomizedDouble-BlindPlacebo-Controlled

NMNサプリで持久力アップ?ランナー48名の臨床試験が示す運動パフォーマンスへの効果

Journal of the International Society of Sports Nutrition2021年7月8日Vol. 18 (2)

ポイント

「もっと長く、もっと楽に走りたい」——そんなランナーの願いに応える可能性を示す研究が発表されました。中国・広州体育大学の研究チームが、アマチュアランナー48名(27〜50歳)を対象に行った6週間のランダム化二重盲検試験で、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)サプリメントが持久力向上に貢献する可能性が明らかになりました。

参加者は4グループに分けられ、1日300mg、600mg、1200mgのNMN、またはプラセボを摂取しながら、週5〜6回の有酸素トレーニング(ランニングとサイクリング)を継続。その結果、特に600mg以上を摂取したグループで「換気閾値(VT1・VT2)」と呼ばれる、いわば「楽に走れる限界点」が有意に向上しました。

興味深いのは、最大酸素摂取量(VO2max)自体は変化しなかった点です。研究者らは、この効果が心臓機能の改善ではなく、「骨格筋の酸素利用効率の向上」によるものと結論づけています。つまり、同じ心拍数でもより効率的にエネルギーを生み出せるようになる可能性があるということです。効果は用量依存的で、高用量グループほど改善幅が大きい傾向が見られました。6週間の試験期間中、副作用の報告はゼロで、安全性も確認されています。

2024年以降の後続研究でも、NMNと運動の組み合わせが代謝機能や持久力改善に有望であることが動物実験で再確認されており、東京大学やワシントン大学の研究でもNMNが筋力やパフォーマンスに好影響を与える可能性が報告されています。

あなたの生活にどう関係する?

摂取量の目安: 本研究では600〜1200mg/日で効果が確認されましたが、他の研究では250〜500mg/日でもNAD+レベルの上昇が報告されています。初めての方は300〜500mg/日から開始し、体調を見ながら調整するのが現実的です。

タイミング: 研究では1日2回(朝食時と昼食時または午後)にトレーニング前に摂取。運動との組み合わせで効果が高まる可能性があるため、トレーニング習慣のある方に特に適しています。

製品選びのポイント: 純度99%以上、GMP認定工場製造、第三者機関による品質試験済みの製品を選びましょう。価格帯は幅広く、1ヶ月2,000〜数万円まで様々。「NMN含有量÷価格」でコスパを比較し、継続しやすい価格帯を選ぶことが重要です。

最も効果が期待できる人: 27〜50歳の定期的にトレーニングを行うアマチュアアスリート、持久系スポーツを行う方、トレーニング効果をさらに高めたい方。

注意が必要な人: 持病がある方、薬を服用中の方は必ず医師に相談を。また、運動習慣のない方への効果は本研究では検証されていません。

注意点

研究対象者の限界: 参加者は1〜5年の運動歴を持つ健康なアマチュアランナー48名(男性40名、女性8名)のみ。一般消費者や高齢者、運動習慣のない人への効果は不明です。女性サンプルが少なく、性差の分析もできていません。

測定方法の制約: テストは自転車エルゴメーターで実施されましたが、参加者の主な運動はランニング。トレッドミルでの測定より約10%低い値が出る可能性があり、実際のランニングパフォーマンスへの効果は推測の域を出ません。

長期安全性は未確認: 6週間の試験では副作用ゼロでしたが、長期摂取(数ヶ月〜数年)の安全性データは限られています。一部の動物実験では高用量での懸念(糖代謝への影響等)も報告されており、がんリスクとの関連も完全には解明されていません。

市販製品との違い: 研究で使用されたNMNは品質管理された研究用製品。市販サプリメントの純度や品質は製品により大きく異なります。「NMN配合」と謳っていても実際の含有量が不明確な製品もあるため注意が必要です。

専門家への相談: 新しいサプリメントを始める前には、特に持病がある方は必ず医師に相談してください。

専門用語の解説

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)ビタミンB3の一種で、体内でNAD+に変換される物質。細胞のエネルギー代謝に関わり、加齢とともに減少する。
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)全身の細胞でエネルギー産生に必要な補酵素。ミトコンドリア機能や長寿遺伝子(サーチュイン)の活性化に関与する。
換気閾値(VT)運動強度を上げていく際に、呼吸パターンが変化する点。VT1は「楽に続けられる限界」、VT2は「きつくなり始める限界」の目安となる。
VO2max(最大酸素摂取量)運動中に体が取り込める酸素の最大量。持久力の指標として広く使われ、値が高いほど持久力が高い。
ランダム化二重盲検試験参加者を無作為にグループ分けし、参加者も研究者もどちらが実薬かプラセボか分からない状態で行う試験。バイアスを最小化する最も信頼性の高い研究デザイン。
プラセボ(偽薬)有効成分を含まない見た目が同じ物質。本研究ではクランベリーパウダーとマルトデキストリンが使用された。
用量依存性摂取量が増えるほど効果も大きくなる関係。本研究では高用量(1200mg/日)で最も大きな効果が見られた。
骨格筋の酸素利用効率筋肉が酸素をどれだけ効率的に使ってエネルギーを作れるかの指標。この効率が上がると、同じ運動でも疲れにくくなる。
研究データ

試験デザイン

Duration6 weeks
Registration中国臨床試験登録センター: ChiCTR2000035138

総合評価

JADAD Quality Assessment
3
/ 5

評価詳細

ランダム化

0 / 2
研究がランダム化されていると記載されているか?
はい+1
根拠: 本研究は、論文中の複数の箇所でランダム化が明示的に記述されている。抄録では「6週間のランダム化二重盲検プラセボ対照4群臨床試験」と記載されている。緒言では「NMN補充の異なる用量が心血管フィットネスに及ぼす影響を調査するため、6週間のランダム化二重盲検4群プラセボ対照臨床試験を実施した」と述べている。研究デザインのセクションでは「本研究は二重盲検ランダム化比較試験である」と明記され、「参加者は4群のうち1群にランダムに割り付けられた」と記述されている。
ランダム化の方法が適切に記載されているか?
いいえ-1
根拠: 論文では参加者が「ランダムに割り付けられた」こと、「ランダム化は性別で層別化された」ことは記載されているが、ランダム配列を生成するために使用された具体的な方法は記述されていない。割り付けの隠蔽化と層別化については言及されているものの、ランダム化が実際にどのように行われたか(例:コンピュータ生成乱数、乱数表、コイン投げ、シャッフルなど)の記述がない。Jadad基準によれば、適切なランダム化方法の点を得るには、その方法が記述されており、かつ適切である必要がある。方法が記述されていないため、この基準は満たされない。

盲検化

2 / 2
研究が二重盲検であると記載されているか?
はい+1
根拠: 本研究は、抄録、緒言、方法のセクションを含む論文中の複数の箇所で「二重盲検」と明示的に記述されている。
盲検化の方法が適切に記載されているか?
はい+1
根拠: 二重盲検の方法が記述されており、かつ適切である。論文では、プラセボ粉末がクランベリー粉末とマルトデキストリンで構成されていること、異なるNMN用量とプラセボを含むすべての袋が「重量、サイズ、形状、色が同一」であったことが明示的に述べられている。これにより、参加者も研究者も物理的特性に基づいて実薬とプラセボを区別することができず、経口サプリメント試験における適切な盲検化方法となっている。

脱落者・除外者

1 / 1
脱落者数と脱落理由が記載されているか?
はい+1
根拠: 論文では、脱落者はおらず、すべての参加者が研究を完了したことが明示的に記述されている。結果のセクションで、著者は「すべての参加者が必要な介入を完了した」と明確に述べている。これは、ランダム化された48名すべての参加者の転帰が説明されているため、脱落者の記述に関するJadad基準を満たしている。本研究の脱落率はゼロであり、これは明確に文書化されている。

対象集団

サンプルサイズ48
年齢範囲27-50 years
疾患・状態健康なレクリエーションランナー
Inclusion Criteria
  • 健康なレクリエーションランナー
  • 運動歴1〜5年
  • 非喫煙者
  • カフェインまたはアルコール飲料を摂取していない
  • 薬物またはサプリメントの使用歴がない

介入

プラセボ

対照群
Doseマッチングプラセボ粉末
Frequency1日2回(朝食時に1袋、昼食時または午後に1袋)
Duration6週間
Route経口

NMN低用量

治療群
Dose1袋あたり150 mg(合計300 mg/日)
Frequency1日2回(朝食時に1袋、昼食時または午後に1袋)
Duration6週間
Route経口

NMN中用量

治療群
Dose1袋あたり300 mg(合計600 mg/日)
Frequency1日2回(朝食時に1袋、昼食時または午後に1袋)
Duration6週間
Route経口

NMN高用量

治療群
Dose1袋あたり600 mg(合計1200 mg/日)
Frequency1日2回(朝食時に1袋、昼食時または午後に1袋)
Duration6週間
Route経口

運動トレーニングプログラム

治療群
Duration6週間

アウトカム

OutcomeTypeEffectp-value
最大酸素摂取量(VO2max)主要--
第一換気閾値(VT1)時のVO2副次--有意
VT1時のVO2max割合副次--有意
第一換気閾値(VT1)時のパワー副次--有意
第二換気閾値(VT2)時のパワー副次--有意
VT1時の心拍数副次--
酸素脈副次--
ピークパワー(Mets)副次--
体重副次--
体格指数(BMI)副次--
体脂肪率副次--

安全性

有害事象0
Serious AEs0
脱落率0.0%
介入期間中、すべての参加者が要求に従ってNMNまたはプラセボを摂取し、有害事象を報告した参加者はいなかった。CPET中の運動時心電図に明らかな異常は認められなかった。

結論

NMN補充は、アマチュアランナーの運動トレーニング中の有酸素能力を向上させる。この改善は用量依存的であり、心機能の改善よりも骨格筋の酸素利用能の向上によるものと考えられる。NMN補充と運動の組み合わせは、健康な若年および中年者においても換気閾値をさらに改善し、高用量でより良好な効果を示した。

限界

  • CPETはトレッドミルではなく自転車エルゴメーターで実施されたため、VO2maxおよびVT値が約10%過小評価されている可能性がある
  • CPET中に血中乳酸値を同時測定していない
  • 女性参加者数が限られており、性別による別々の分析ができなかった
  • ランニングトレーニングの強度設定において、テスト間の互換性に個人差がある可能性がある
このコンテンツはAI(LLM)によって生成されています。正確性には十分注意を払っておりますが、重要な情報については原著論文をご確認ください。