RCTJadad 5/5RandomizedDouble-BlindPlacebo-Controlled

NMNサプリは夕方に摂ると効果的?高齢者の下肢機能と眠気改善に関する12週間の臨床試験

Nutrients2022年2月11日Vol. 14 (4)

ポイント

「最近、足腰が弱ってきた」「日中の眠気がとれない」——そんな悩みを持つ方に注目してほしい研究結果が、日本の筑波大学から発表されました。

この研究では、65歳以上の高齢者108名を対象に、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)250mgを12週間摂取した効果を、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験という信頼性の高い方法で検証しました。参加者は「朝にNMNを摂取」「夕方にNMNを摂取」「朝にプラセボ」「夕方にプラセボ」の4グループに分けられ、摂取時間帯による効果の違いも調べられました。

最も興味深い発見は、夕方(18時〜就寝前)にNMNを摂取したグループで、下肢の機能(椅子から5回立ち上がる時間)と日中の眠気が最も大きく改善したことです。効果の大きさを示す指標では、5回立ち上がりテストでd=0.72、眠気でd=0.64と、いずれも中程度以上の改善効果が確認されました。

睡眠の質についても、夕方NMN摂取グループが入眠までの時間、日中の機能障害、主観的睡眠の質において最も大きな効果を示しました。ただし、グループ間で統計的に有意な差は確認されず、プラセボ効果の影響も見られたため、解釈には注意が必要です。2024年に発表された別の臨床試験でも、NMN摂取により高齢者の歩行速度維持と睡眠の質改善が報告されており、本研究の結果を支持する知見が蓄積されつつあります。

あなたの生活にどう関係する?

摂取量とタイミング 本研究では1日250mgを使用。市販のNMNサプリは250mg〜500mgの製品が主流で、本研究の用量は現実的な範囲です。夕方(18時以降)の摂取が効果的だった点は、一般的な「朝摂取」の推奨とは異なり、興味深い発見です。

誰に向いているか ・65歳以上で足腰の衰えが気になる方 ・日中の眠気や疲労感に悩む方 ・睡眠薬に頼りたくない方 本研究の参加者は自立歩行可能で認知症のない高齢者でした。

製品選びのポイント ・純度98%以上の高純度NMN製品を選ぶ(2024年の調査で品質にばらつきが報告されています) ・信頼できる第三者検査済みの製品を優先 ・継続使用が前提のため、コストパフォーマンスも重要な判断材料

期待できる効果の目安 効果を実感するまで最低12週間(約3ヶ月)の継続が目安。本研究でも6週目から改善が見られ始めました。

注意点

研究対象者の限定 本研究は日本人高齢者(65歳以上)が対象であり、若年層や他の民族への一般化には限界があります。また、参加者は睡眠、疲労、ストレスについて何らかの不調を感じている人が選ばれており、健康な方への効果は不明です。

プラセボ効果の存在 下肢機能や眠気の改善はプラセボ群でも見られました。NMN特有の効果なのか、期待による心理的効果なのかの切り分けが難しい状況です。

メカニズムは未解明 血液や尿中のNAD+濃度変化は測定されておらず、体内でNMNがどのように作用したかは直接確認されていません。客観的な睡眠測定(活動量計や睡眠ポリグラフ)も行われていません。

市販品との違いに注意 研究で使用されたNMNは三菱商事ライフサイエンス製の規格品です。市販サプリメントの品質は製品によって大きく異なる可能性があります。

専門家への相談が推奨されるケース 持病のある方、服薬中の方、がん治療中・経験者の方は、NMNがNAD+を介して細胞代謝に影響する可能性があるため、必ず医師に相談してください。

専門用語の解説

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)ビタミンB3の一種で、体内でNAD+に変換される前駆体。細胞のエネルギー産生やDNA修復に関わる成分として注目されている
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)全ての細胞に存在する補酵素で、エネルギー代謝に不可欠。加齢とともに減少し、30歳以降は年間1〜2%ずつ低下するとされる
ランダム化二重盲検プラセボ対照試験参加者をランダムに振り分け、参加者も研究者もどちらが本物の薬かわからない状態で行う試験方法。最も信頼性の高い臨床試験デザイン
効果量(Cohen's d)効果の大きさを示す統計指標。0.2が小、0.5が中、0.8が大とされる。本研究では下肢機能でd=0.72と中〜大程度の効果が確認された
5回立ち上がりテスト(5-STS)椅子から5回連続で立ち上がる時間を測定する下肢筋力・機能の評価法。高齢者の身体機能や転倒リスクの指標として広く使用される
PSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)過去1ヶ月間の睡眠の質を評価する国際的に認められた質問票。0〜21点で評価し、点数が低いほど睡眠の質が良い
サーチュイン遺伝子長寿に関連するとされる遺伝子群。NAD+を利用して活性化し、細胞の老化抑制や代謝調節に関わるとされる
プラセボ効果有効成分を含まない偽薬でも、効くと信じることで実際に症状が改善する現象。本研究でもプラセボ群に改善が見られた
研究データ

試験デザイン

Duration12 weeks
Registration大学病院医療情報ネットワーク(UMIN): UMIN000038097

総合評価

JADAD Quality Assessment
5
/ 5

評価詳細

ランダム化

2 / 2
研究がランダム化されていると記載されているか?
はい+1
根拠: 本研究は論文全体を通じて「ランダム化」と明確かつ繰り返し記述されている。抄録では「ランダム化二重盲検プラセボ対照試験」と記載されている。緒言では「ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験」と記述されている。方法のセクションではこれを確認し、「層別ランダム化および置換ブロックランダム化」や、参加者が乱数を用いて「ランダムに並べ替えられ」、群に「ランダムに割り付けられた」ことなど、ランダム化プロセスの詳細が記載されている。
ランダム化の方法が適切に記載されているか?
はい+1
根拠: 論文には適切なランダム化方法が記載されている。本研究では層別ランダム化と置換ブロックランダム化を組み合わせて使用し、参加者のランダムな並べ替えと群への割り付けに乱数を使用した。具体的には、参加者は性別、年齢群、睡眠不良の報告により層別化され、その後4つの置換ブロックが生成され、乱数に従ってランダムに割り付けられた。これらの方法(層別ランダム化、置換ブロックランダム化、乱数の使用)はすべて、ランダム化比較試験の適切なランダム化手法とみなされている。

盲検化

2 / 2
研究が二重盲検であると記載されているか?
はい+1
根拠: 本研究は論文全体を通じて「二重盲検」と明確に記述されている。この用語は抄録、緒言、方法のセクションに記載されている。本研究は一貫して「ランダム化二重盲検プラセボ対照」試験と称されており、二重盲検デザインの信頼性を確保するための措置についても追加の詳細が記載されている。
盲検化の方法が適切に記載されているか?
はい+1
根拠: 二重盲検の方法は適切であった。論文には「NMN群とプラセボ群のサプリメントは外観が同一になるよう調製された」と明記されている。両サプリメントは同じ形態(錠剤 -「参加者は6錠のサプリメントを服用することが求められた」)で、同じ不活性成分(マルチトール、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム)を含み、唯一の違いはNMN群の錠剤にはNMN 250 mgも含まれていたことである。サプリメントはパッケージ上のID番号のみで区別され、盲検化が維持されることが確保された。これは、外観が同一のプラセボを使用した適切な二重盲検法である。

脱落者・除外者

1 / 1
脱落者数と脱落理由が記載されているか?
はい+1
根拠: 論文には脱落者について記載されており、登録された108名のうち3名が個人的理由により脱落したと述べられている。群別の内訳は本文中に明示されていないが、論文では通常この情報が群別に示されるFigure 1(フローチャート図)を参照している。脱落者の数と理由が記載されており、欠測データの処理方法(ベースライン観察値の繰り越し)についても記述されている。これは脱落者を記載するというJadadの基本基準を満たしている。

対象集団

サンプルサイズ108
年齢範囲-
疾患・状態睡眠の質、疲労、またはストレスの訴えがある高齢者
Inclusion Criteria
  • 自立歩行が可能で研究に積極的に参加できる
  • 認知症のない参加者
  • 介護サービスの必要がない

介入

ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)

治療群
Dose250 mg
Frequency1日1回
Duration12週間
Route経口

プラセボ

対照群
Dose6錠
Frequency1日1回
Duration12週間
Route経口

アウトカム

OutcomeTypeEffectp-value
ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)総合スコア主要--
PSQI 睡眠時間サブスケール主要--
PSQI 入眠時間サブスケール主要--
PSQI 睡眠薬使用サブスケール主要--
PSQI 睡眠障害サブスケール主要--
PSQI 日中機能障害サブスケール主要--
PSQI 睡眠の質サブスケール主要--
PSQI 睡眠効率サブスケール主要--
ねむけ(自覚症しらべ)主要-p=0.02有意
不安定感(自覚症しらべ)主要--
不快感(自覚症しらべ)主要--
だるさ(自覚症しらべ)主要--
眼のつかれ(自覚症しらべ)主要--
疲労総合スコア(自覚症しらべ)主要--
握力副次--
5回椅子立ち上がりテスト(5-STS)副次-p=0.04有意
Timed Up and Go(TUG)テスト副次--
5m通常歩行テスト副次--

安全性

NMN摂取による副作用の報告なし。全群の摂取率は95%以上であった。

結論

午後(post meridian)のNMN摂取は、高齢者の下肢機能(5-STS)を効果的に改善し、ねむけを軽減した。5-STS(p=0.04)とねむけ(p=0.02)で有意な交互作用が観察された。NMN_PM群は5-STS(d=0.72)とねむけ(d=0.64)において最大の効果量を示した。これらの知見は、特に午後/夕方に摂取した場合、NMNが高齢者の身体パフォーマンス低下の予防と疲労改善に有効である可能性を示唆している。

限界

  • NMNを含む可能性のある日常の食事は管理されておらず、日常の栄養素摂取に関する調査も実施されなかった
  • NMN摂取により引き起こされた可能性のある生理的要因の変化は検討されなかった(身体測定と質問票のみ使用)
  • 生体内でのNMNの生理的要因への直接的な効果は不明のまま - 血液、尿、筋肉の検査が必要
  • 今後の研究では、アクチグラフィー、睡眠ポリグラフィー、睡眠日誌などの評価を追加する必要がある
  • 5-STS、ねむけ、睡眠障害スコアにプラセボ効果が観察された
  • 研究倫理ガイドラインに基づく研究デザインの説明により、参加者がプラセボをNMNと認識した可能性があり、これがプラセボ効果と4群間の有意でない交互作用を説明する可能性がある
このコンテンツはAI(LLM)によって生成されています。正確性には十分注意を払っておりますが、重要な情報については原著論文をご確認ください。