RCTJadad 3/5RandomizedDouble-BlindPlacebo-Controlled

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)1日1250mg摂取の安全性を検証:日本人を対象とした4週間のランダム化比較試験

Scientific Reports2022年8月24日Vol. 12

ポイント

「若返りサプリ」として注目を集めるNMNですが、高用量での安全性は本当に確認されているのでしょうか?この研究は、日本の健康な成人男女31名を対象に、1日1250mgという比較的高用量のNMNを4週間摂取した際の安全性を評価したランダム化二重盲検プラセボ対照試験です。

研究の結果、NMN群(16名)とプラセボ群(15名)の間で、血液検査、生化学検査、尿検査、体組成のいずれにおいても臨床的に問題となる変化は認められませんでした。すべての測定値は基準値の範囲内に収まり、重篤な有害事象は報告されていません。研究期間中に5件の有害事象が報告されましたが、主任研究者によりNMN摂取との直接的な因果関係はないと判断されています。

特筆すべきは、同じNAD+前駆体であるニコチンアミド(NAM)やニコチン酸(NA)では高用量摂取時に肝毒性や顔面紅潮といった副作用が報告されているのに対し、NMNではそのような反応が見られなかった点です。これは、NMNがより高い耐容上限量を持つ可能性を示唆しています。

2024〜2025年に発表された複数のメタアナリシスでも、NMNは300〜900mg/日の範囲で安全に血中NAD+濃度を上昇させることが確認されており、本研究の結果はこれらの知見と一致しています。市場では様々な用量のNMN製品が販売されていますが、この研究により1250mgまでの単回投与が安全である可能性が示されました。

あなたの生活にどう関係する?

摂取量の目安 本研究では1日1250mgの安全性が確認されましたが、他の臨床研究を踏まえると、一般的な健康維持目的であれば300〜600mg/日が現実的な開始用量です。2024年の多施設共同研究では、600mg/日で血中NAD+濃度と身体機能の改善が最大となることが報告されています。

摂取タイミング 朝の空腹時に摂取することが推奨されます。これはNAD+レベルが朝に自然とピークを迎えるという体内リズムに合致しており、日中のエネルギー維持に寄与する可能性があります。夜間の摂取は細胞エネルギー産生を活性化し、睡眠に影響する可能性があるため避けた方がよいでしょう。

製品選びのポイント

  • β-NMN(ベータ型)を選択する:ヒトの体内に存在するのはβ型です
  • GMP認定工場で製造された製品を選ぶ
  • 純度99%以上の表示がある製品が望ましい
  • 2025年現在、FDAはNMNをサプリメントとして認可しており、米国製品も合法的に流通しています

効果が期待される層 NAD+レベルは30歳以降年間1〜2%ずつ低下するとされ、中高年(40歳以上)でより大きなベネフィットが期待されます。運動習慣のある方では、有酸素運動能力の向上が報告されています。

注意点

研究の限界 この研究は31名という比較的小規模なサンプルで、期間も4週間と短期間です。長期摂取(数ヶ月〜数年)の安全性については、まだ十分なエビデンスがありません。また、NMNやその代謝物(NAD+など)の血中・尿中濃度測定は行われておらず、実際にどの程度体内に吸収されたかは不明です。

研究資金の透明性 本研究はNMN製造元の三菱商事ライフサイエンスと、試験実施機関であるファーマフーズが資金提供しており、利益相反の可能性があります。

市販品との違い 研究で使用されたNMNは製薬グレードの高純度品です。2024年の調査では、市販NMNサプリの有効成分含有量がラベル表示から−100%〜+28.6%の範囲で乖離していることが報告されており、品質にばらつきがあります。

専門家への相談が必要なケース 持病がある方、服薬中の方、妊娠・授乳中の方は必ず医師に相談してください。本研究でもこれらの方は除外基準に該当しています。NMNは健康的な生活習慣(バランスの良い食事、適度な運動、質の高い睡眠)の代替にはなりません。

専門用語の解説

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)ビタミンB3の一種から体内で生成される物質で、NAD+の前駆体。枝豆、ブロッコリー、アボカドなどに微量含まれるが、通常の食事からの摂取量は1日2mg未満。
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)すべての生細胞に存在する補酵素で、エネルギー代謝やDNA修復に不可欠。加齢とともに減少し、NMNサプリメントはこのNAD+レベルを上昇させることを目的としている。
ランダム化二重盲検プラセボ対照試験参加者をランダムに振り分け、参加者も研究者もどちらがNMNかプラセボかわからない状態で行う試験。バイアスを最小限に抑える最も信頼性の高い研究デザイン。
プラセボ有効成分を含まない偽薬。実薬と見た目は同じで、心理的効果(プラセボ効果)と実際の薬効を区別するために使用される。
有害事象研究期間中に発生した好ましくない医学的出来事。必ずしも研究対象の物質が原因とは限らない。
GMP(適正製造規範)製品の品質と安全性を確保するための製造管理基準。GMP認定工場での製造は、サプリメントの品質を判断する重要な指標。
サーチュインNAD+を必要とする酵素群で、老化や代謝調節に関与。NMN摂取によるNAD+上昇がサーチュインを活性化し、抗老化効果をもたらすと考えられている。
NDI(新規食品成分)1994年以前に米国で販売されていなかった食品成分。販売前にFDAへの届出が必要で、NMNは現在この分類に該当する。
研究データ

試験デザイン

Duration4 weeks
RegistrationUMIN-CTR: UMIN000043084

総合評価

JADAD Quality Assessment
3
/ 5

評価詳細

ランダム化

2 / 2
研究がランダム化されていると記載されているか?
はい+1
根拠: 本研究は論文全体を通じて明確に無作為化試験として記載されている。抄録、緒言、方法、結果の各セクションにおいて、本研究が「ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験」であることが明確に述べられている。方法のセクションでは、被験者が「乱数表」を用いて「無作為に割り付けられた」と記載し、無作為化のプロセスも説明されている。
ランダム化の方法が適切に記載されているか?
はい+1
根拠: 論文では無作為化に乱数表を使用したことが明確に記載されており、これは適切な方法である。乱数表はJadadスケールの基準において許容される無作為化方法とされている。論文では、研究に関与していない管理者が「乱数表」を用いて被験者を割り付けたことが明確に述べられている。

盲検化

0 / 2
研究が二重盲検であると記載されているか?
はい+1
根拠: 本研究は論文全体を通じて明確かつ繰り返し「二重盲検」として記載されている。「二重盲検」という用語は、抄録、緒言、方法のセクション、図のキャプションにおいて、研究デザインを「ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験」として一貫して説明する形で使用されている。
盲検化の方法が適切に記載されているか?
いいえ-1
根拠: 本研究は「二重盲検」と記載され、両試験食品は水に溶解した「包装粉末」として提供されたが、論文では実際の盲検化の方法が記載されていない。プラセボ粉末とNMN粉末が外観、味、匂い、包装において同一であったかどうかに関する情報がない。組成表は参照されているが、盲検化がどのように維持されたかの詳細は提供されていない。盲検化がどのように達成されたか(例:同一のプラセボ製剤、外観/味の一致)の記載がなければ、その方法が適切であったかどうかを評価することはできない。

脱落者・除外者

1 / 1
脱落者数と脱落理由が記載されているか?
はい+1
根拠: 論文では脱落および中止について記載されている。1名の被験者が研究開始前に辞退し、介入を開始した31名の被験者全員が研究を完了した。論文には脱落者数(1名)が記載され、その脱落が「研究とは無関係の理由」によるものであったこと、残りの参加者全員が試験を完了したことが確認されている。また、研究の各段階における参加者の流れを示すCONSORTフロー図(図2)も参照されている。

対象集団

サンプルサイズ31
年齢範囲20-65 歳
疾患・状態健康成人
Inclusion Criteria
  • 20〜65歳の健康な男女
  • 医師の判断により血液検査結果(中性脂肪、LDLコレステロール、空腹時血糖、HbA1c、AST、ALT、γ-GT、血清アミラーゼ、クレアチニン、尿酸)が許容範囲内であること

介入

β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(β-NMN)

治療群
Dose1250 mg
Frequency1日1回
Duration4週間
Route経口

プラセボ

対照群
Dose規定なし
Frequency1日1回
Duration4週間
Route経口

アウトカム

OutcomeTypeEffectp-value
血液学的検査主要--
臨床生化学検査主要-p=0.0148
体組成およびバイタルサイン主要--
尿検査主要--
有害事象副次--

安全性

有害事象5
Serious AEs0
研究期間中に5件の有害事象が観察された。研究責任者は、試験食品の投与といずれの有害事象との間にも直接的な因果関係はないと判断した。重篤な有害事象は観察されなかった。肝毒性や血管拡張性紅潮は報告されなかった。

結論

本研究の結果は、β-NMNが健康な成人男女において1250 mgの経口投与を1日1回、最大4週間まで安全かつ忍容性が良好であることを示している。β-NMNの経口投与は、人体計測、血液学的検査、生化学的検査、尿検査、および体組成分析を含む複数の臨床検査において生理的変動を超える変化をもたらさなかった。研究期間中に重篤な有害事象は観察されなかった。

限界

  • NMNおよびその代謝物(NAD+、NAM、NR、2Py、4Py)の血液および尿中のメタボローム解析は実施されなかった
  • MRI、心電図、脳波、生検による組織学的検査などの臨床生理学的検査は実施されなかった
  • 比較的小さなサンプルサイズ
  • 短期間の研究(4週間);NMNの過剰摂取のより詳細な分析には、長期的な安全性研究またはコホート研究が必要
このコンテンツはAI(LLM)によって生成されています。正確性には十分注意を払っておりますが、重要な情報については原著論文をご確認ください。