RCTJadad 3/5RandomizedDouble-BlindPlacebo-Controlled

NMNサプリで体内NAD+が上昇、600mg/日が最適用量か?中高年80名の臨床試験が示す持久力改善と安全性

GeroScience2022年12月8日Vol. 45 (1)

ポイント

「最近疲れやすくなった」「年齢とともに体力の衰えを感じる」——そんな中高年の悩みに対して、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)サプリメントが注目を集めています。今回紹介するのは、40〜65歳の健康な成人80名を対象にした60日間のランダム化二重盲検プラセボ対照試験です。

この研究では、参加者を4グループ(プラセボ、300mg、600mg、900mg/日)に分け、NMNの用量依存的な効果を検証しました。その結果、すべてのNMN摂取群でプラセボと比較して血中NAD濃度が有意に上昇(p<0.001)。特に注目すべきは、600mg群と900mg群の間には統計的有意差がなかったこと——つまり、600mg/日で効果がプラトーに達することが示唆されました。

身体機能面でも明確な効果が確認されました。6分間歩行テストでは、プラセボ群の改善が2%だったのに対し、300mg群で24%、600mg・900mg群では約50%の改善が見られました。また、血液検査から算出した「生物学的年齢」は、プラセボ群で60日間に有意に上昇したのに対し、NMN群では維持されました。SF-36(健康関連QOL評価)でも、NMN群で有意な改善が認められています。

安全性については、全80名が試験を完遂し、NMNに関連する有害事象は報告されませんでした。2024年の慶應義塾大学の研究でも、250mg/日の長期投与の安全性が確認されており、本研究の900mg/日までの安全性データと合わせて、NMNの良好な忍容性が裏付けられています。

あなたの生活にどう関係する?

【摂取量の目安】 本研究に基づけば、600mg/日が費用対効果の高い選択肢です。900mgでは600mgを上回る追加効果が見られませんでした。初めての方は300mgから始め、体調を見ながら600mgまで増量するのも一案です。

【摂取タイミング】 研究では朝食前に常温の水で服用されました。NAD+は体内時計との関連があるため、朝の摂取が理にかなっています。

【製品選びのポイント】

  • 純度98%以上の高純度製品を選択
  • 第三者機関による品質検証(重金属・農薬検査)済みの製品
  • 2024年の調査では市販品の有効成分量がラベル表示と最大±29%乖離していたケースも報告されており、信頼できるブランド選びが重要

【効果を感じやすい人】

  • 40歳以上の中高年
  • 軽度の体力低下を感じている方
  • 持久力・スタミナを維持したい方

【効果の実感時期】 本研究では30日時点で有意な効果が確認されました。最低1〜2ヶ月の継続が目安です。

注意点

【研究の限界】

  • 参加者80名・60日間と比較的小規模・短期間の研究です。2024年のメタ分析(12研究・513名)では、NAD上昇効果は確認されたものの、臨床的に重要なアウトカムの多くでプラセボとの有意差は見られませんでした。

  • 本研究はインドで実施され、参加者は健康な中高年に限定。持病のある方や高齢者への効果は不明です。

  • 研究はNMNメーカー(Aba Chemicals社・Abinopharm社)がスポンサー。利益相反の可能性を考慮する必要があります。

【市販品との違い】 研究で使用された「AbinoNutra NMN」と市販品の品質が同等とは限りません。サプリメントは医薬品と異なり規制が緩いため、製品間の品質差が大きい点に注意が必要です。

【専門家への相談が必要なケース】

  • 糖尿病など代謝疾患のある方(HOMA-IRへの影響は本研究では確認されず)
  • 現在薬を服用中の方
  • 妊娠・授乳中の方

専門用語の解説

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)ビタミンB3の一種で、体内でNAD+に変換される前駆体。ブロッコリーや枝豆にも微量含まれる天然物質
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)細胞のエネルギー産生やDNA修復に必須の補酵素。加齢とともに減少し、長寿遺伝子(サーチュイン)の活性化にも関与
ランダム化二重盲検試験参加者を無作為にグループ分けし、参加者も研究者もどちらが本物かわからない状態で行う最も信頼性の高い臨床試験デザイン
プラセボ(偽薬)有効成分を含まない見た目が同じ薬。本研究では米粉入りカプセルを使用
6分間歩行テスト6分間で歩ける距離を測定し、持久力や心肺機能を評価する標準的な身体機能テスト
生物学的年齢血液検査などから算出される体の実際の老化度。暦年齢とは異なり、生活習慣で変化しうる
SF-36身体的・精神的健康状態を評価する国際標準の質問票。36項目から総合的な健康関連QOLを数値化
HOMA-IR空腹時の血糖値とインスリン値から算出するインスリン抵抗性の指標。値が高いほど糖代謝が悪い
用量依存性摂取量が増えるほど効果が強くなる関係性。本研究では600mgまで用量依存性が見られた
サーチュイン遺伝子長寿に関わるとされる遺伝子群。NAD+を利用して活性化し、細胞の修復や代謝調節に関与
研究データ

試験デザイン

RegistrationClinicalTrials.gov: NCT04823260

総合評価

JADAD Quality Assessment
3
/ 5

評価詳細

ランダム化

0 / 2
研究がランダム化されていると記載されているか?
はい+1
根拠: 本研究は論文全体を通じて「ランダム化」と明確に複数回記述されている。抄録には「80名の中年健康成人をランダム化した、ランダム化、多施設、二重盲検、プラセボ対照、並行群、用量依存性臨床試験」と明確に記載されている。材料と方法のセクションでも「多施設、ランダム化、並行、二重盲検、プラセボ対照、用量依存性臨床試験」と記述されている。さらに、論文はランダム化プロセスを詳細に説明しており、「CRO企業の統計専門家が80名の参加者を4群に均等に分けるためのランダム化を実施した」と述べている。
ランダム化の方法が適切に記載されているか?
いいえ-1
根拠: 論文はランダム化が実施されたことを示しているが(「CRO企業の統計専門家がランダム化を実施した」および「ランダム化コードは統計専門家によって生成され、CROのデータベースにデジタルロックされた」)、使用されたランダム化の方法を明確に記述していない。論文には、コンピュータ生成の乱数、乱数表、またはその他の適切なランダム化方法が使用されたかどうかが明記されていない。Jadad基準によると、この項目でポイントを得るためには、ランダム化の方法が記述されており、かつ適切でなければならない。ランダム化の事実のみが言及され、具体的な方法が記載されていないため、この基準は満たされていない。

盲検化

2 / 2
研究が二重盲検であると記載されているか?
はい+1
根拠: 本研究は論文全体を通じて「二重盲検」と明確に複数回記述されている。抄録には「二重盲検、プラセボ対照」試験と記載されている。材料と方法のセクションでは「二重盲検、プラセボ対照」と記述されている。治験製品のセクションでは二重盲検のメカニズムを説明しており、「参加者も試験スタッフも、ボトル内に2つ(NMNまたはプラセボ)のどちらが入っているか知ることができず、それにより二重盲検が確保された」と述べている。考察セクションでも「ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験」と言及されている。
盲検化の方法が適切に記載されているか?
はい+1
根拠: 二重盲検の方法が記述されており、適切であった。本研究では、外観がNMNカプセルと同一の(同じ製造方法、サイズ、形状、および不透明な白色の)プラセボカプセルを使用し、不活性充填剤として米粉を使用した。NMNカプセルとプラセボカプセルの両方は、同じラベルが貼られた不透明なボトルに包装され、コード化されたキットに入れられた。ランダム化コードはデジタルロックされ、統計専門家のみがアクセス可能であり、参加者も試験スタッフも治療割り当てを識別できないようにした。

脱落者・除外者

1 / 1
脱落者数と脱落理由が記載されているか?
はい+1
根拠: 論文は脱落者がいなかったことを明確に記述している。複数の記述により、80名全員の参加者が試験を完了したことが確認されている。抄録には「80名全員の参加者が試験プロトコル違反なく試験を完了した」と記載されている。結果セクションでは「80名全員の参加者が試験プロトコル違反なく試験を完了した」と確認している。考察では「本試験は脱落なく完了した」と明確に述べている。さらに、手順セクションでは潜在的な脱落/中止の基準を記述し、「被験者が臨床試験から中止された理由はCRFに記録された」と記載している。全群で脱落者数がゼロと明記されているため、脱落者の記述に関するJadad基準を満たしている。

対象集団

サンプルサイズ80
年齢範囲40-65 years
疾患・状態健康成人
Inclusion Criteria
  • 40〜65歳
  • 男女の健康ボランティア
  • BMIが18.5〜35 kg/m2
  • ベースライン前7日間および試験期間中、いかなる形態のナイアシンを含むサプリメントを摂取していないこと
  • 試験期間中、一貫した食事および生活習慣を維持できること
  • 試験期間中、効果的な避妊方法を使用することに同意すること
  • 書面によるインフォームドコンセントを提供する意思があること
  • 口頭および書面による試験指示に従う意思があること
  • 60日間、割り当てられたサプリメントを摂取する意思があること

介入

β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)300mg

治療群
Dose300 mg
Frequency1日1回
Duration60日間
Route経口

β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)600mg

治療群
Dose600 mg
Frequency1日1回
Duration60日間
Route経口

β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)900mg

治療群
Dose900 mg
Frequency1日1回
Duration60日間
Route経口

プラセボ

対照群
Dose米粉300〜900 mg相当
Frequency1日1回
Duration60日間
Route経口

アウトカム

OutcomeTypeEffectp-value
血中NAD濃度主要-<0.001有意
6分間歩行試験距離副次-<0.01有意
血液生物学的年齢副次-<0.05有意
HOMA-IR(インスリン抵抗性の恒常性モデル評価)副次->0.05
SF-36(36項目短縮版健康調査)総合スコア副次->0.05
有害事象副次--

安全性

有害事象9
Serious AEs0
脱落率0.0%
合計9件の有害事象が7名の参加者で報告された。プラセボ群の5名で6件の有害事象、300mg群の2名で3件の有害事象が発生した。600mgまたは900mg群では有害事象は発生しなかった。すべての有害事象は軽度または中等度であり、NMN治療との関連はなかった。バイタルサイン、身体所見、その他の観察において臨床的に意味のある異常は認められなかった。NMNサプリメントは1日最大900mgまでのすべての用量で安全かつ良好な忍容性を示した。

結論

NMNサプリメントは血中NAD濃度を有意かつ用量依存的に増加させた。1日最大900 mgのNMN経口投与は60日間にわたり安全で忍容性が良好であり、治療関連の有害事象は認められなかった。NMNサプリメントは6分間歩行試験、血液生物学的年齢の維持、SF-36スコアの有意な改善によって示されるように、身体持久力および全般的な健康状態にポジティブな影響を与えた。900 mg/日の用量は600 mg/日よりも有意に優れた効果を示さなかったため、600 mg/日が最適用量と考えられた。

限界

  • より多くの参加者とより長い試験期間があれば、より洞察に富んだ結果が得られた可能性がある
  • 血液生物学的年齢の結果を確認するには、追加の生物学的年齢時計とより長い試験期間が必要である
  • 性別特異的な効果は評価されていない - 男性と女性ではNMNサプリメントへの反応が異なる可能性がある
  • 本試験では血清中の総NAD+ + NADH濃度のみを測定した。全血または他の組織中のNADを測定する将来の研究は、より包括的な値を提供するであろう
このコンテンツはAI(LLM)によって生成されています。正確性には十分注意を払っておりますが、重要な情報については原著論文をご確認ください。