NMNサプリで体内NAD+が上昇、600mg/日が最適用量か?中高年80名の臨床試験が示す持久力改善と安全性
ポイント
「最近疲れやすくなった」「年齢とともに体力の衰えを感じる」——そんな中高年の悩みに対して、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)サプリメントが注目を集めています。今回紹介するのは、40〜65歳の健康な成人80名を対象にした60日間のランダム化二重盲検プラセボ対照試験です。
この研究では、参加者を4グループ(プラセボ、300mg、600mg、900mg/日)に分け、NMNの用量依存的な効果を検証しました。その結果、すべてのNMN摂取群でプラセボと比較して血中NAD濃度が有意に上昇(p<0.001)。特に注目すべきは、600mg群と900mg群の間には統計的有意差がなかったこと——つまり、600mg/日で効果がプラトーに達することが示唆されました。
身体機能面でも明確な効果が確認されました。6分間歩行テストでは、プラセボ群の改善が2%だったのに対し、300mg群で24%、600mg・900mg群では約50%の改善が見られました。また、血液検査から算出した「生物学的年齢」は、プラセボ群で60日間に有意に上昇したのに対し、NMN群では維持されました。SF-36(健康関連QOL評価)でも、NMN群で有意な改善が認められています。
安全性については、全80名が試験を完遂し、NMNに関連する有害事象は報告されませんでした。2024年の慶應義塾大学の研究でも、250mg/日の長期投与の安全性が確認されており、本研究の900mg/日までの安全性データと合わせて、NMNの良好な忍容性が裏付けられています。
あなたの生活にどう関係する?
【摂取量の目安】 本研究に基づけば、600mg/日が費用対効果の高い選択肢です。900mgでは600mgを上回る追加効果が見られませんでした。初めての方は300mgから始め、体調を見ながら600mgまで増量するのも一案です。
【摂取タイミング】 研究では朝食前に常温の水で服用されました。NAD+は体内時計との関連があるため、朝の摂取が理にかなっています。
【製品選びのポイント】
- 純度98%以上の高純度製品を選択
- 第三者機関による品質検証(重金属・農薬検査)済みの製品
- 2024年の調査では市販品の有効成分量がラベル表示と最大±29%乖離していたケースも報告されており、信頼できるブランド選びが重要
【効果を感じやすい人】
- 40歳以上の中高年
- 軽度の体力低下を感じている方
- 持久力・スタミナを維持したい方
【効果の実感時期】 本研究では30日時点で有意な効果が確認されました。最低1〜2ヶ月の継続が目安です。
注意点
【研究の限界】
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参加者80名・60日間と比較的小規模・短期間の研究です。2024年のメタ分析(12研究・513名)では、NAD上昇効果は確認されたものの、臨床的に重要なアウトカムの多くでプラセボとの有意差は見られませんでした。
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本研究はインドで実施され、参加者は健康な中高年に限定。持病のある方や高齢者への効果は不明です。
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研究はNMNメーカー(Aba Chemicals社・Abinopharm社)がスポンサー。利益相反の可能性を考慮する必要があります。
【市販品との違い】 研究で使用された「AbinoNutra NMN」と市販品の品質が同等とは限りません。サプリメントは医薬品と異なり規制が緩いため、製品間の品質差が大きい点に注意が必要です。
【専門家への相談が必要なケース】
- 糖尿病など代謝疾患のある方(HOMA-IRへの影響は本研究では確認されず)
- 現在薬を服用中の方
- 妊娠・授乳中の方
専門用語の解説
研究データ
試験デザイン
総合評価
JADAD Quality Assessment評価詳細
ランダム化
0点 / 2点盲検化
2点 / 2点脱落者・除外者
1点 / 1点対象集団
- 40〜65歳
- 男女の健康ボランティア
- BMIが18.5〜35 kg/m2
- ベースライン前7日間および試験期間中、いかなる形態のナイアシンを含むサプリメントを摂取していないこと
- 試験期間中、一貫した食事および生活習慣を維持できること
- 試験期間中、効果的な避妊方法を使用することに同意すること
- 書面によるインフォームドコンセントを提供する意思があること
- 口頭および書面による試験指示に従う意思があること
- 60日間、割り当てられたサプリメントを摂取する意思があること
介入
β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)300mg
治療群β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)600mg
治療群β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)900mg
治療群プラセボ
対照群アウトカム
| Outcome | Type | Effect | p-value |
|---|---|---|---|
| 血中NAD濃度 | 主要 | - | <0.001有意 |
| 6分間歩行試験距離 | 副次 | - | <0.01有意 |
| 血液生物学的年齢 | 副次 | - | <0.05有意 |
| HOMA-IR(インスリン抵抗性の恒常性モデル評価) | 副次 | - | >0.05 |
| SF-36(36項目短縮版健康調査)総合スコア | 副次 | - | >0.05 |
| 有害事象 | 副次 | - | - |
安全性
結論
NMNサプリメントは血中NAD濃度を有意かつ用量依存的に増加させた。1日最大900 mgのNMN経口投与は60日間にわたり安全で忍容性が良好であり、治療関連の有害事象は認められなかった。NMNサプリメントは6分間歩行試験、血液生物学的年齢の維持、SF-36スコアの有意な改善によって示されるように、身体持久力および全般的な健康状態にポジティブな影響を与えた。900 mg/日の用量は600 mg/日よりも有意に優れた効果を示さなかったため、600 mg/日が最適用量と考えられた。限界
- より多くの参加者とより長い試験期間があれば、より洞察に富んだ結果が得られた可能性がある
- 血液生物学的年齢の結果を確認するには、追加の生物学的年齢時計とより長い試験期間が必要である
- 性別特異的な効果は評価されていない - 男性と女性ではNMNサプリメントへの反応が異なる可能性がある
- 本試験では血清中の総NAD+ + NADH濃度のみを測定した。全血または他の組織中のNADを測定する将来の研究は、より包括的な値を提供するであろう