RCTJadad 0/5RandomizedDouble-BlindPlacebo-Controlled

NMNサプリは歩く速さの衰えを防ぐ?高齢者対象12週間試験でわかった歩行速度と睡眠への効果

GeroScience2024年5月24日Vol. 46 (5)

ポイント

「最近、歩くのが遅くなった気がする」「寝つきが悪い」——そんな悩みに、話題の抗老化成分NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は応えられるのでしょうか。今回紹介するのは、日本の高齢者60人を対象に、NMNを1日250mg・12週間摂取してもらった二重盲検・プラセボ対照のランダム化比較試験(RCT)です。参加者はNMN群とプラセボ群に無作為に分けられ、開始時・4週後・12週後に歩行機能テスト、血中NAD+(エネルギー代謝や細胞修復に関わる補酵素)濃度、睡眠の質などを測定しました。

主要評価項目の「ステッピングテスト」(足踏みの俊敏さを測る検査)では、NMN群とプラセボ群に有意な差はつきませんでした。一方、副次的な指標では明確な違いが見られました。12週間後、NMN群はプラセボ群より4m歩行タイムが有意に短く、歩く速さの低下が抑えられていました。血中NAD+濃度とその代謝物(2-PY、4-PY)もNMN群で有意に高く、NAD+の上昇幅が大きい人ほど歩行タイムの改善幅も大きいという負の相関も確認されています。睡眠面でも、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)の「日中の機能障害」と総合スコアがNMN群で改善し、重い副作用の報告もありませんでした。

あなたの生活にどう関係する?

NMNサプリを検討するなら、本試験で効果が確認された「1日250mg・12週間以上の継続摂取」が一つの目安になります。市販品は1回あたり125mg〜500mgと含有量にばらつきがあるため、成分表示や第三者検査の有無を確認して選びましょう。特に、普段あまり運動習慣がなく、加齢による歩行速度の低下や寝つきの悪さ・日中のだるさが気になる人で恩恵を感じやすい可能性があります。すでに活発に運動している人は変化を実感しにくいかもしれません。NMNは依然として高価格帯の製品が多く、月々数千円〜1万円台のコストがかかる点も考慮を。ウォーキングなど軽い運動を並行して続けることも、歩行機能の維持には有効です。

注意点

本試験は日本人高齢者60人という小規模な集団で行われており、性別や持病の内訳などの詳細は限定的です。また、主要評価項目(ステッピングテスト)では有意差が出ておらず、「歩行速度維持」や「睡眠改善」はあくまで副次的な結果である点に注意が必要です。論文の質を評価するJadad基準(5点満点)でも、無作為化やブラインド化の具体的な手法、脱落者数の記載が不十分で0点にとどまり、透明性の面で改善余地があります。市販のNMNサプリは製品ごとに純度や含有量にばらつきがあり、本試験と同じ効果を保証するものではありません。持病がある方や薬を服用中の方は、摂取前に医師に相談してください。

専門用語の解説

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)体内でNAD+の材料となる物質で、抗老化サプリメントの成分として注目されている。サーモンやブロッコリーなど一部の食品にも微量含まれる。
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)エネルギー代謝や細胞修復に関わる補酵素で、加齢とともに体内濃度が低下するとされる。
二重盲検プラセボ対照試験参加者・実施者の双方が、誰が本物の成分(実薬)を摂取しているか分からない状態で行う試験デザイン。思い込みによる効果を排除しやすい。
ステッピングテスト一定時間内の足踏み回数などから敏捷性・バランス能力を測る運動機能検査。本試験の主要評価項目だったが有意差は出なかった。
4m歩行タイム4メートルを歩くのにかかる時間を測定する検査。高齢者の身体機能や将来の要介護リスクの指標として広く使われる。
PSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)睡眠の質を点数化する国際的に使われる質問票。スコアが低いほど睡眠の質が良いとされる。
Jadad スケールRCT論文の報告の質を0〜5点で評価する簡易チェックリスト。無作為化・盲検化の方法、脱落者の記載の有無などを点数化する。
2-PY/4-PYNAD+が体内で代謝された際に生じる物質で、血中濃度がNAD+代謝の活発さを示す指標として測定される。
ITT解析(intention-to-treat解析)試験を途中でやめた人も含め、当初割り付けたグループのまま解析する方法。都合の良いデータだけを選ばないための標準的な統計手法。
研究データ

試験デザイン

Duration12 weeks
RegistrationUMIN-CTR: UMIN000047871

総合評価

JADAD Quality Assessment
0
/ 5

評価詳細

ランダム化

0 / 2
研究がランダム化されていると記載されているか?
はい+1
根拠: 抄録には本研究が「ランダム化」試験であることが明記されており、参加者が各群に「ランダムに割り付けられた」と記載されているため、質問1の基準を満たしている。
ランダム化の方法が適切に記載されているか?
いいえ-1
根拠: 抄録には参加者が「ランダムに割り付けられた」と記載され、本研究がランダム化、プラセボ対照、二重盲検試験であると述べられているが、ランダム化順序を生成するために実際に用いられた具体的な方法(例:コンピュータによる乱数生成、乱数表など)については明記されていない。具体的なランダム化手法の記載がないため、その妥当性を検証することができず、Jadadスケールの基準に従い、この項目は「no」と評価すべきである。

盲検化

0 / 2
研究が二重盲検であると記載されているか?
はい+1
根拠: 抄録には本研究のデザインが「二重盲検」であることが明記されており、このJadadスケール項目の基準を直接満たしている。
盲検化の方法が適切に記載されているか?
いいえ-1
根拠: 抄録には本研究が「二重盲検」かつ「プラセボ対照」であると記載されているが、盲検化を達成するために実際に用いられた方法(例:プラセボがNMNカプセル/粉末と外観、味、匂い、包装において同一であったかどうか)については記載されていない。NMNとプラセボの識別不能性がどのように達成されたかについての記載がないため、入手可能なテキストからは盲検化手法の妥当性を確認することができず、Jadad基準に従い、この項目は「no」と評価すべきである。

脱落者・除外者

0 / 1
脱落者数と脱落理由が記載されているか?
いいえ0
根拠: 提供されたテキストは論文の抄録のみであり、各群における脱落者・中止者数やその理由についての記載は一切含まれていない。「60名の参加者がプラセボ群またはNMN群にランダムに割り付けられた」および「試験物質の摂取に関連する有害事象は認められなかった」との記載はあるが、各群から何名が脱落・中止したか、またその理由についての明確な記載はなく、Jadadスケールのこの項目で「yes」と回答するために必要な情報が不足している。

対象集団

サンプルサイズ60
年齢範囲-
疾患・状態高齢者における加齢に伴う身体機能(歩行機能)の低下

介入

ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)

治療群
Dose250 mg/日
Frequency1日1回
Duration12週間
Route経口

プラセボ

対照群
Duration12週間
Route経口

アウトカム

OutcomeTypeEffectp-value
ステッピングテスト主要--
4m歩行時間副次--有意
血中NAD+レベル副次--有意
血中NAD+代謝物(N1-メチル-2-ピリドン-5-カルボキサミド[2-PY]およびN1-メチル-4-ピリドン-3-カルボキサミド[4-PY])副次--有意
睡眠の質(日中の機能障害およびPSQI総合得点サブスケール)副次--有意
ストレス副次--

安全性

試験物質の摂取に関連する有害事象は観察されなかった

結論

12週間のNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)摂取により、血中NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)およびNAD+代謝産物レベルが上昇し、プラセボと比較して歩行速度の維持(4m歩行時間の短縮)と関連し、また高齢者において睡眠の質の改善(日中機能障害スコアおよびPSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)合計スコアの低下)が認められたが、主要評価項目であるステッピングテストの結果には有意差は観察されなかった。試験物質の摂取に関連する有害事象は観察されなかった。
このコンテンツはAI(LLM)によって生成されています。正確性には十分注意を払っておりますが、重要な情報については原著論文をご確認ください。
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