アシュワガンダ新配合「Zenroot」、1日125mgでストレス実感7割減——12週間RCTが示した不安・気分・睡眠への効果
ポイント
「疲れが抜けない」「気分が沈みがち」「よく眠れない」——そんな悩みを持つ人は多いはず。今回紹介するのは、アダプトゲンとして知られるアシュワガンダの新配合原料「Zenroot(ゼンルート)」を84日間(12週間)摂取した効果を検証したインドのランダム化比較試験(RCT)だ。
軽度〜中等度のストレスを抱える18〜55歳の男女90人を、Zenroot群(1日125mg)とプラセボ群に無作為に分け、二重盲検で比較した。Zenrootは総ウィザノライド1.5%に標準化された低用量製剤で、既存の高用量製剤(500〜600mg)より吸収性が高いことが別のバイオアベイラビリティ試験で示されている点も特徴だ。
結果ははっきりしていた。ストレス自己評価スコア(PSS)は12週間でZenroot群が平均7.4ポイント低下したのに対し、プラセボ群はむしろ0.8ポイント上昇。臨床的に意味のある改善(MCID)を達成した人の割合は、Zenroot群100%に対しプラセボ群はわずか13.3%だった。不安(BAI)、気分(POMS)、睡眠の質(PSQI)も同様にZenroot群で有意に改善し、皮膚電気反応や心拍変動といった「気のせいではない」客観的ストレス指標も摂取14日目という早い段階で変化が見られた。一方、血中コルチゾールや唾液アミラーゼには有意差がなく、副作用もプラセボ群と同程度で軽微だった。
あなたの生活にどう関係する?
Zenrootの特徴は、一般的なアシュワガンダサプリ(300〜600mg)よりかなり少ない125mgで効果が出た点にある。摂取は朝食後1日1回、84日間の継続摂取で明確な効果が確認された。皮膚電気反応や心拍変動の変化は14日目から現れ始めるが、主観的なストレス・不安・睡眠の改善をしっかり実感するには4〜12週間の継続を見込みたい。対象は軽度〜中等度・発症3か月未満の非慢性ストレス者で、慢性的な強いストレスへの効果は別問題だ。製品を選ぶ際は総ウィザノライド量と標準化方法(USP法など)の明記を確認するとよいが、Zenrootそのものはまだ市販サプリへの配合が広がっていない新しい原料であり、入手可能性は限定的な点に留意したい。
注意点
最も重要な注意点として、日本国内ではアシュワガンダ(全草)は「もっぱら医薬品として使用される成分」に分類されており、食品として製造・販売すると薬機法に抵触するおそれがある。2025年10月には東京都が該当成分を含む健康食品の回収を指導した事例もあり、個人輸入品の購入・使用にも注意が必要だ。また本研究はインド人90人・軽度〜中等度の非慢性ストレス者に限定した小規模試験で、慢性的な強いストレスやうつ・不安障害と診断された人への効果は未検証。コルチゾールなど客観的ホルモン指標では有意差が出なかった点も割り引いて考えたい。抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬の服用中や妊娠・授乳中の人は、使用前に必ず医師に相談すること。
専門用語の解説
研究データ
試験デザイン
総合評価
JADAD Quality Assessment評価詳細
ランダム化
2点 / 2点盲検化
2点 / 2点脱落者・除外者
1点 / 1点対象集団
- 18歳から55歳(両端を含む)のストレスを有する男性または女性成人
- BMI 18.5~29.9 kg/m2(両端を含む)
- 軽度から中等度のストレス:PSS(知覚ストレス尺度)スコアが7以上26以下で、罹病期間が3か月未満
- 規則的な食事パターンと活動レベルを維持する意思があること
- 試験期間中、ストレス・不安・気分に関する薬剤やサプリメントの使用を控える意思があること
- 検査日前24時間は飲酒を控える意思があること
- 検査日前12時間はカフェイン摂取を控える意思があること
- 検査日前12時間は激しい身体活動を控える意思があること
- 試験期間中、体重を安定させることに同意すること
- 書面によるインフォームドコンセントを提供し、試験を完了する意思があること
介入
Zenroot(ZEN)
治療群プラセボ
対照群アウトカム
| Outcome | Type | Effect | p-value |
|---|---|---|---|
| 知覚ストレス尺度(PSS)スコア | 主要 | - | p < 0.05有意 |
| Mindfield eSense皮膚電気反応(皮膚コンダクタンス反応率) | 副次 | - | p < 0.05有意 |
| 心拍変動 - RMSSD | 副次 | - | p < 0.05有意 |
| 心拍変動 - SDNN | 副次 | - | p < 0.05有意 |
| ベック不安尺度(BAI)スコア | 副次 | - | p < 0.05有意 |
| 気分プロフィール検査(POMS) - 総気分障害得点 | 副次 | - | p < 0.05有意 |
| ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI) - 総合スコア | 副次 | - | p < 0.05有意 |
| 血清コルチゾール値 | 副次 | - | - |
| 唾液アミラーゼ(sAA) | 副次 | - | -有意 |
安全性
結論
総ウィザノライド含有率1.5%のZenroot Ashwagandha製剤であるZENを1日125mg、84日間投与したところ、非慢性の軽度から中等度のストレスを有する成人において、プラセボと比較して知覚ストレス尺度(PSS)および不安尺度(BAI)のスコアを有意に低下させ、気分プロフィール検査(POMS)および睡眠の質(PSQI)を改善し、客観的ストレス指標(皮膚電気反応およびHRV[心拍変動]パラメータ、特に投与14日目)を改善した。血清コルチゾールおよび唾液アルファアミラーゼについては群間で有意差は認められなかった。ZENは安全で忍容性が高く、治療関連の有害事象は認められなかった。限界
- 研究対象集団はストレス期間が3か月未満の非慢性・軽度から中等度のストレスを有する被験者に限定されており、慢性的にストレスを抱える人々への一般化可能性が制限される
- 全被験者においてベースライン時の血清コルチゾール値は正常範囲内であり、これが血清コルチゾールおよび唾液アルファアミラーゼに対する治療効果が有意でなかった理由と考えられる
- 採血時間を朝の一定時間に標準化したにもかかわらず、日内変動やその他の要因(食事、運動、睡眠スケジュール)がコルチゾール値に影響を与えた可能性がある
- 著者らは、今後の研究では正常値を上回るコルチゾール値/唾液アルファアミラーゼ値を有し、慢性的にストレスを抱える被験者を組み入れ、より大きなサンプルサイズを用いるべきであると指摘している