ヴィーガン・ベジタリアンのクレアチン補給:7日間で筋肉は増えても瞬発力は変わらなかった理由
ポイント
肉や魚を食べないヴィーガン・ベジタリアンは、食事からクレアチンをほとんど摂れないため、筋肉内のクレアチン貯蔵量が雑食者より少ない傾向があります。「クレアチンサプリで瞬発力が上がる」とよく言われますが、実際どこまで効くのか気になる人も多いはず。今回紹介するのはデンマークの研究チームによる小規模なランダム化比較試験です。健康なヴィーガン・ベジタリアン15人を対象に、クレアチン一水和物(体重1kgあたり0.3g、1日4回に分けて摂取)またはプラセボ(マルトデキストリン)を7日間摂取してもらい、筋生検とDXA(体組成測定)、反復スプリントテストで変化を調べました。結果、クレアチン群では筋肉内クレアチン濃度が有意に増加し、体重は平均1.56kg、除脂肪体重(筋肉量の指標)は1.15kg増加。一方プラセボ群にはこうした変化は見られませんでした。しかし肝心のスプリント中のピークパワーや平均パワーには、両群とも変化がありませんでした。「クレアチンを筋肉に貯めても、たった7日では瞬発力アップに直結しない」という結果は、サプリ選びに悩む人にとって重要な示唆になりそうです。
あなたの生活にどう関係する?
ヴィーガン・ベジタリアンで体重や筋肉量の底上げを狙うなら、クレアチン一水和物は有力な選択肢です。研究の用量は体重60kgなら1日約18g(1回4.5g程度を4回)。市販品では1日5g程度を1〜2回に分けて摂るのが一般的で、体重に応じた用量とこまめなタイミングを意識すると近い効果が期待できます。ただし今回の試験は7日間という短期のため、スプリント能力(瞬発的なパワー発揮)には変化が見られませんでした。「飲めばすぐパフォーマンスが上がる」と期待するのは禁物です。効果を体感するには、数週間以上の継続摂取やレジスタンストレーニングとの併用が鍵になりそうです。成分自体は安価な国内製品でも同じなので、含有量表示さえ確認すれば十分でしょう。
注意点
参加者はわずか15人(各群7〜8人)と非常に少なく、結果の一般化には注意が必要です。論文にはドロップアウトの詳細や割付方法の記述が乏しく、品質評価(Jadadスコア)も低めでした。試験期間はたった7日間のため、長期的な筋力・持久力・スプリント以外の運動能力への効果は不明です。参加者の年齢・性別分布も限定的にしか報告されていません。持病がある方、妊娠中の方、腎機能に不安がある方はサプリ開始前に医師に相談してください。
専門用語の解説
研究データ
試験デザイン
総合評価
JADAD Quality Assessment評価詳細
ランダム化
0点 / 2点盲検化
0点 / 2点脱落者・除外者
0点 / 1点対象集団
- 健康であること
- ヴィーガンまたはベジタリアン食を実践していること
介入
クレアチン一水和物
治療群マルトデキストリン(プラセボ)
対照群アウトカム
| Outcome | Type | Effect | p-value |
|---|---|---|---|
| 体重 | 副次 | - | p < 0.01有意 |
| 除脂肪量(FFM) | 副次 | - | p < 0.05有意 |
| 筋クレアチン含有量(Cr) | 主要 | - | p < 0.05有意 |
| 総筋クレアチン(TCr) | 主要 | - | p < 0.01有意 |
| ホスホクレアチン(PCr) | 主要 | - | - |
| 反復スプリント中のピークパワー出力 | 主要 | - | - |
| 反復スプリント中の平均パワー出力 | 主要 | - | - |