アシュワガンダ根エキスKSM-66で体重-8.5kg、コルチゾールも36%減──24週間・二重盲検試験が示した「ストレス太り」対策
ポイント
「ストレスで食べ過ぎて太る」──この悪循環に科学的な裏付けを与える試験結果です。慢性ストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)を上昇させ、食欲や内臓脂肪の蓄積を刺激することが知られています。今回紹介するのは、インドで実施された24週間・100人規模の無作為化二重盲検プラセボ対照試験。過体重〜肥満(BMI25〜39.9)でストレスを抱える19〜65歳の成人に、標準化アシュワガンダ根エキス「KSM-66」300mgを1日2回、または見た目が同じプラセボを摂取してもらいました。結果、実薬群は体重が平均8.46kg、BMIが3.31減少し、プラセボ群(体重-2.41kg、BMI-0.93)を大きく上回りました。ストレス自己評価スコア(PSS)、血中コルチゾール値(13.91→8.90μg/dL、約36%減)、食への渇望感、生活の質(QOL)スコアもすべて有意に改善。副作用は吐き気・腹痛・眠気など軽度なものにとどまり、重篤な有害事象や肝腎機能への悪影響は確認されませんでした。市場でもKSM-66はコストコやウォルマートなど大手小売にも並ぶ主流サプリになりつつあり、「ストレス性の過食」に悩む人にとって注目に値するデータです。
あなたの生活にどう関係する?
試験の用量は300mgを1日2回(朝食後・夕食後、計600mg/日)、24週間の継続摂取でした。市販品を選ぶ際は「KSM-66」など標準化エキス(ウィザノライド5%以上)であることを確認しましょう。効果実感には数週間〜数ヶ月かかるため、最低12週間は続けるのが目安です。「ストレスで甘い物や高カロリー食に手が伸びる」「常に疲れやイライラを感じる」タイプの体重管理に向いています。鎮静作用があるため、夜の服用は眠気につながりやすく、車の運転前などは避けましょう。妊娠・授乳中、甲状腺疾患、自己免疫疾患がある人、他の薬を服用中の人は開始前に医師へ相談してください。
注意点
本試験は単一施設・インド人成人91名(解析対象)のデータで、食事・睡眠・運動量は管理されていません。市販サプリの抽出方法や含有量は製品ごとに異なり、本試験と同じ「KSM-66」規格でなければ同様の効果は期待できない点に注意が必要です。また近年、オランダやオーストラリアの規制当局からアシュワガンダによる肝障害の稀な症例報告(十数例、多くは服用開始後1〜22ヶ月で発症)が挙がっています。本試験では肝機能に異常は見られませんでしたが、長期摂取時は体調変化(黄疸、褐色尿、かゆみなど)に注意し、持病がある方や服薬中の方は必ず医師に相談してください。
専門用語の解説
研究データ
試験デザイン
総合評価
JADAD Quality Assessment評価詳細
ランダム化
2点 / 2点盲検化
2点 / 2点脱落者・除外者
1点 / 1点対象集団
- 19歳から65歳までの成人
- BMIが25.0~39.9 kg/m2の範囲内であること
- 試験開始前に書面によるインフォームド・コンセントに署名する意思があること
- 24週間の試験期間全体にわたり治験薬を服用することに同意していること
介入
アシュワガンダ根抽出物(KSM-66 Ashwagandha®)
治療群プラセボ
対照群アウトカム
| Outcome | Type | Effect | p-value |
|---|---|---|---|
| 体重 | 主要 | - | P < 0.0001有意 |
| 体格指数(BMI) | 主要 | -1.92 | P < 0.0001有意 |
| 知覚ストレス尺度 | 副次 | - | P < 0.05有意 |
| 健康関連QOL(生活の質) | 副次 | - | P < 0.05有意 |
| 主観的満足度 | 副次 | - | P < 0.05有意 |
| 食欲渇望(食への渇望感) | 副次 | - | P < 0.05有意 |
| 血清コルチゾール | 副次 | -2.32 | p=0.006有意 |
| 糖化ヘモグロビン(HbA1c) | 副次 | - | p=0.028有意 |
| 血清総コレステロール | 副次 | - | p=0.028有意 |
安全性
結論
アシュワガンダ根抽出物(1回300mgを1日2回、24週間投与)は、プラセボと比較してストレスレベル、体重、および食欲(食べ物への渇望)を有意に低下させ、それに伴い生活の質(QOL)および主観的満足度の改善も認められた。ARE(アシュワガンダ根抽出物)は忍容性が高く、軽度で自然に消失する有害事象(悪心、腹痛、傾眠)のみが認められ、重篤な有害事象はなく、24週間にわたり臨床検査における安全性パラメータに臨床的に意味のある変化は認められなかった。これらの結果は、過体重の成人におけるストレス軽減および体重管理のための安全かつ有望な介入としての長期使用を支持するものである。限界
- 単一施設での研究デザインであり、結果の一般化可能性が限定される可能性がある
- サンプルサイズが限られている
- 研究対象集団の人口統計学的多様性が限定的である
- 食事、睡眠の質、身体活動レベルなどの潜在的な交絡因子がモニタリングまたは制御されておらず、ストレス、体重、および全体的な健康状態に関連する結果に影響を及ぼした可能性がある